Termuxで複数のセッション
HTMLファイルを作ってWebサーバーを起動してWebブラウザーでアクセスしてみました。 これからさらにHTMLファイルに手を入れたりするのですけど、そのたびにWebサーバーを終了して、microを起動して、HTMLファイルを編集・保存して、microを終了して、Webサーバーを起動して、という操作をするのは手間ですよね。
Termuxのコマンドを受け付ける画面を表示してからexitコマンドでその画面を終了するまでをセッションといいますが、Termuxではこのセッションを複数作ることができます。
Chromeでは複数のタブを開いてタブごとにWebサイトを表示できます。Termuxのセッションはそのタブに近い役回りのものと考えてください。
2つのセッションを作って1つはWebサーバーに使い、1つはmicroでのHTMLファイルの編集に使ってやればWebサーバーやmicroを終了せずに、HTMLファイルを更新しWebブラウザーからWebサーバーにアクセスして表示を確認できます。
それでは実際に2つのセッションを作ってみましょう。 まず1つ目はこれまで通りです。Termuxを起動してコマンドを受け付ける状態になっているのが1つ目のセッションです。言い換えればTermuxアプリを起動すると自動的に1つ目のセッションが作られます。 そこでWebサーバーを起動します。以下のコマンドを実行します。
python -m http.server 8080
実行すると
Serving HTTP on :: port 8080 (http://[::]:8080/) ...
と表示されてWebサーバーがアクセスを受け付ける状態になります。 Webブラウザーでアクセスしてみましょう。以下のURLにアクセスします。
localhost:8080
「Hello, World!」と表示されたでしょうか?
ここでTermuxの画面に戻り、Termuxの画面で画面の左端からスワイプインの操作をします。するとメニューが表示されます。 メニューには「[1]」と表示されていてその行が選択状態になっています。 これは1つのセッションがあり、現在そのセッションを表示していることを示しています。
ここで「NEW SESSION」をタップすると新しいセッションが作られ表示がそのセッションに切り替わります。タップしてみましょう。
再度左端からスワイプインしてみるとリストに「[1]」「[2]」とあり「[2]」が選択状態になっています。「[1]」「[2]」2つのセッションがあり「[2]」のセッションを表示していることを示しています。
試しにここでメニューの「[1]」の行をタップしてみましょう。 Webサーバーを起動したセッションに表示が切り替わります。そうしたら再度同様の手順で「[2]」のセッションを表示しましょう。
この「[2]」のセッションでHTMLファイルを編集しましょう。
micro index.html
そして既にある「Hello, World!」を適当に例えば「Hello, HTML!」と書き換えてみましょう。 書き換えたらCTRL+Sで保存します。
HTMLファイルが更新されたのでWebブラウザーで再度Webサーバーにアクセスすると更新されたWebサイトが表示されるはずです。
Chromeで同じURLに再度アクセスするにはURL欄をタップして、表示されている「localhost:8080」の行をタップします。あるいはChromeのバージョンによってURLが編集可能状態になっていればエンターを入力します。すると更新されたWebサイトが表示されます。
最後にセッションの閉じ方ですが、これには「exit」コマンドを使います。
exit
はじめの方でTermuxを終了するコマンドとして紹介したコマンドです。実はこれはセッションを閉じるコマンドです。「exit」コマンドを使ってセッションを閉じていき最後の1つのセッションが閉じられるとTermaxが終了するということなのです。